これを知らなきゃ、はじまらない 「日食」基本情報

金環日食が各地でどのように見えるのか、日食を見るにはどんな準備が必要なのか、日食のデータと楽しみ方のポイントをまとめました。2012年5月21日、どんな朝を迎えますか。

ナビゲーター 高樹千佳子さん 前回の皆既日食は種子島の子供たちと一緒に見る機会がありましたが、みんな必携だったのが日食メガネ。今回の金環日食も同じです。太陽が暗くなるからといって油断せず、裸眼では絶対見ないように気をつけましょう!

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  • 日食の歴史と神話

基本情報3:見てみよう撮ってみよう ※日食を裸眼やレンズで直接見てはいけません。

日食網膜症にならないために

 日食のすばらしさは適切な方法で観察してこそ味わえるものです。金環日食は皆既日食とは異なり、太陽が完全に隠される状態にはなりません。部分日食と同様に強烈に明るい太陽の形を観察することになりますので、眼に障害を負うことのないよう、適切な対策をとることがきわめて重要です。
 過去の日食では、日食網膜症(日食性網膜炎などとも呼ばれます)という眼の障害事例が多数報告されており、視野の中心に暗点が残ったり、視力低下にいたる自覚症状も出ています。太陽光にはダメージを与えやすい波長の光が含まれていて、眼の中で光化学作用が起こることが、日食網膜症の主な原因であると指摘されています。
 ちょっとした油断や誤解で眼を傷めてしまったら大変です。望遠鏡や双眼鏡で太陽を見てはいけないことはもちろんですが、太陽を裸眼で直接見上げることも、わずかな時間であっても大変危険ですので、気をつけなければなりません。
 日食観察には危険が伴うことを正しく理解し、太陽を直接見ることのないよう、事前に準備をしておくことが必要です。具体的な方法としては、日食めがねを使う方法、ピンホールカメラの原理で映った像を見る方法、天体望遠鏡に太陽投影板を取り付ける方法、太陽観測のために開発された専用の望遠鏡や観察装置を使うこと、などがあります。太陽を観察することを想定して開発された製品を選ぶということが、安全確保への第一歩といえるでしょう。
 しかしながら、信頼できそうな製品を入手したからといって、それだけで絶対安全ということにはなりません。正しい使い方をしていなかったために眼に障害を負った例も報告されています。「この程度なら大丈夫だろう」という思い込みで、想定されていない使い方をしてしまうことは特に危険です。

撮影するときも注意が必要

 日食のときに写真を撮影してみたいという人もいることでしょう。カメラレンズの前面に濃度の高い減光用のフィルターを取り付ける方法が一般的ですが、カメラを太陽に向けようとして裸眼で何度も太陽を見てしまうことや、天気が刻々と移り変わるような状況下でフィルターを切り替えるようなことは、とくに危険が大きいといえます。
 撮影用の減光フィルターは適正露出を得やすくするためのものであり、眼を保護するためのものではないことは知っておいたほうがよいでしょう。近赤外線の透過率がやや高いこともあり、フィルターの組み合わせや光学系との組み合わせによっては眼に安全とはいえないレベルになります。フィルターを取り付けてあるからといってカメラの光学ファインダーで太陽をじっくりと見つめたり、撮影用のフィルターを日食めがねの代わりに使うようなことはやめましょう。ライブビュー機能などを使って液晶画面上の映像で太陽像を確認するのであれば、安全性は万全です。
 2012年5月21日の次の金環日食は、18年後の2030年6月1日に北海道でみられる金環日食です。この貴重な機会を事故のないよう楽しみたいものです。

アストロアーツ/大川拓也/白河天体観測所

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「星空年鑑2012」 アストロアーツ(外部リンク)

情報提供:「星空年鑑2012」 アストロアーツ(外部リンク)

2012年の天文現象や星空の様子をご紹介。星空観察のための資料として幅広く活用できる一冊です。また、特集の「金環日食がやってくる」では、2012年5月21日に日本国内で見ることができる金環日食を詳細に解説。DVD「2012年の星空案内」付き!
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日食を見るための必需品「日食観察プレート」使い方ガイド(外部リンク)


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撮影用のフィルターには素材や濃度などさまざまな種類のものが販売されています。太陽を撮影する用途では通常は露出倍数数万倍から10万倍の濃度のフィルターを用います。ND400であれば露出倍数400倍で、これは2枚重ねて使われることが多いフィルターです。ND100000であれば露出倍数10万部という意味の表記です。メーカーによって10のn乗のnの値で表記していることもあります。たとえばシート状フィルターのND4.0は露出倍数1万倍です。これらはいずれも撮影 用途のフィルターであり眼を保護するためのものでは ないことに注意してください。 カメラの光学ファインダーを直接覗くのではなく、電子ビューファインダーやライブビュー機能で映像として映した太陽像を見る方法であれば眼に対する安全性は万全です。