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ここで、地球上に落ちる月の影の進みかたを見ておきましょう。月の影は地球上を西から東へと進んでいきます。金環日食を見ることができる月の影の経路は細い帯状になり、この帯状の地域を金環帯(もしくは金環日食帯)と呼びます。
金環帯の始まりは、太陽が金環となった状態で日の出を迎える中国の南側です。そのあとマカオ、香港、広州などを通り、台湾北部を経て、東シナ海から日本へとやってきます。日本では沖縄の北の海域から始まり薩南諸島、九州南部、四国、近畿、東海、関東、東北南部を通って太平洋へと抜けていきます。太平洋上のアリューシャン列島の南側に達したところで金環継続時間が最長になります。その後は北米へと進んでいき、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州などを通り、テキサス州で日の入りとなって終わります。
こうして金環帯となる地域をたどってみると、人口の多い都市がいくつもその中に含まれることがわかります。とくに中国、台湾、日本、アメリカでは非常に多くの人が注目する金環日食になることでしょう。
また、北太平洋から北極海にかけての広い範囲では、金環にならずとも月が太陽の光の一部分をさえぎる薄い影が落ちています。この薄い影を半影といい、半影の中では部分日食を見ることができます。日本全体がその範囲内にすっぽりと収まっています。
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金環帯の地図には、中心線と南北2つの限界線が描かれています。金環日食は限界線に狭まれた範囲内で見ることができます。自分の住んでいるところで金環日食が起こるのかどうか、起こるとしたら食の深さはどの程度か、調べておくとよいでしょう。
食の深さを表している数値が食分です。食分は、金環帯の外側の部分日食については月によって隠された太陽の直径の比率を表しています。限界線上では太陽と月の見かけの直径の比とほぼ同じ数値になり、金環帯の中では食が深いほど大きな値になります。図中では各地の最大の食分とその時刻を示しています。
食分が最大になる時刻は西の地方ほど早くなります。日食中に各地からの中継映像を見たり、遠方の知人と連絡をとりあったりすると、場所によって日食の進行が違っていることがわかるでしょう。地球上に投影された月の影が進んでいくようすを想像しながら観察してみたいものです。
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日食を見る計画を立てる際は、何時何分に空のどのあたりに見えるのかを調べておくことが基本です。日食の進行は場所によって異なるので、日食を見る地点での予報時刻を把握しておくことが必要です。日本では朝の日食になりますので、太陽は東の空にあり、時間とともに地平高度を上げていきます。場所選びの際には東の空を広く見渡せるかどうかチェックしましょう。
日周運動で太陽が進んでいく方向が西です。朝6時台、月が太陽の西の縁に接するといよいよ日食の始まりです。太陽はしだいに月に隠されていき、午前7時台に食の最大を迎えます。このとき太陽の中心と月の中心が最も近づくことになります。月は太陽の東の縁へ向かって動いていき、食の終わりの時刻には、太陽はまるい形へと戻ります。
金環帯では、金環食の始めや終わりのリング状につながるか途切れるかというときに、ベイリービーズと呼ばれる月の谷間から漏れる光の連なりが見られるでしょう。限界線上ではその継続時間が長くなります。金環日食の見どころのひとつです。
アストロアーツ/大川拓也/白河天体観測所
情報提供:「星空年鑑2012」 アストロアーツ(外部リンク)
2012年の天文現象や星空の様子をご紹介。星空観察のための資料として幅広く活用できる一冊です。また、特集の「金環日食がやってくる」では、2012年5月21日に日本国内で見ることができる金環日食を詳細に解説。DVD「2012年の星空案内」付き!
さらに、金環日食を大特集したムック「エクリプスガイド 金環日食 2012」も発売中! 付録のDVDで、盛りだくさんの内容をお届けします。
「エクリプスガイド 金環日食 2012」のさらに詳しい情報を見る(外部リンク)
日食を見るための必需品「日食観察プレート」使い方ガイド(外部リンク)
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